特別養護老人ホームの主治医は今後居なくなる。殆どボランティア
特別養護老人ホームの入居者が施設内で受ける医療を巡り、現在の体制では容体の急変や、新型コロナウイルスの感染拡大などに「十分な対応ができない」との声があがっている。
特養には、日常的な健康管理を担う医師(配置医)を置くことが義務づけられているが、ほとんどが非常勤で、医療行為にも制約がある。
関係者は配置医の役割や報酬体系の見直しを求めている。
搬送で救急医療に負担も「入所者の医療ニーズが年々高まっており、現在の制度では対応できない」 3月末に開かれた政府の規制改革推進会議の作業部会。
出席した全国老人福祉施設協議会の担当者が、現場の窮状を訴えた。
有料老人ホームなどと異なり、要介護度が進んだ高齢者が入居する特養には配置医を置くことが義務づけられている。
多くの特養は、地域の内科医などと嘱託契約を結んでいる。
配置医は週に1~2回特養を訪れ、入居者の体調を確認している。入居者の「主治医」にあたり、毎月報酬が支払われる。
しかし、入居者が急に体調を崩した時など、訪問日以外に配置医が駆けつけても、往診料を受け取ることができない。
自宅や有料老人ホームにいる患者に駆けつけた時には往診料が支払われるのとは対照的だ。
急変時の駆けつけは、意欲ある医師だけが採算を度外視してやっている状況で、
「医師に対応してもらえず、救急搬送をするケースが少なくない」(特養の関係者)という。
一方、外部の医師に協力を求めようとしても、診療は制限されている。
別の医師が特養に往診する場合、診療報酬が支払われるのは、「配置医の専門外」などの条件を満たした時だけだ。
作業部会の専門委員を務める医師で、東京都内で在宅診療を行っている悠翔会(港区)の佐々木淳理事長は、「住み慣れた特養の部屋で療養できるはずの人が入院せざるを得なくなる。
救急医療の負担が増えるだけでなく、入院による環境の変化で高齢者の状態が悪化することにつながりかねない」と訴える。
(引用ヤフーニュース)
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特別養護老人ホームの主治医を引き受ける病院なんていない
全くお金にならないどころか…
これ、【公式】ケアマネ介護福祉士も実際に働いて、なおかつしっかりと経営的な勉強をしてから知りました。
よく個人病院とかのお医者さんが特別養護老人ホームの主治医になるケースが多く、入院が必要な場合は大きな病院へ…。
みたいなのがすごく多いイメージです。
確かに大きな病院の先生が往診に来るのは忙しいし大変なんだろうな…。
くらいに思っていたのですが、話を聞けば聞くほどただのボランティアなんだなあって思ってしまいます。
なんでプラスにならないのかって言う所を説明していきましょう。
診療報酬は殆んどもらえない
元々往診に来る予定の日しかお金が発生しないシステムになっている特別養護老人ホームの診療報酬…。
勿論病院を経営しているので、普段は病院で診療しているお医者さん…。
あらかじめ診療を休みにしている時間帯で、定期的に来ることになっている日しかお金が取れないんですよね…。
夜間とかによく利用者さんの体調不良で看護師さんからの指示とかで主治医へ電話をするとメチャメチャ不機嫌だったりブチ切れながら電話へ出るって言う事は耳にします。
お酒をたしなむ方だとアルコール臭をさせながらタクシーで二つの意味でぷんぷんさせながら往診に来たり…。
看取りの人が居れば死亡確認に死亡診断書作成…。
夜間行ってまでって話になります。
実際ごくまれにですが、夜間は医師の電話が通じないとか、わざと電源を切っている人が居るなんて話も聞こえてきます。
あくまで看護師さん達のなかなか電話しても目を覚まされないとか、電話に出てもらえない揶揄だとは思いますが…。
ただ、こういった夜間の呼び出しって診療報酬は取れない…。
つまり行っても行かなくてもいいって事ですもんね…。
そりゃあプンプンするわ…。
お薬も減額される
これも知らなかったんですけど、個人の病院だと院内処方が
当たり前ですよね。
なんかよく分からないんですけど、通常の処方とは違うらしく、お薬を出した結果マイナスを打つみたいなこともあるらしいです。
(説明して下さったドクターへ。ちゃんと聞いてなくてすいません。)
だからといって薬を出さないって訳には行かないでしょうから結局お薬は処方する…。
診療報酬的には全然割に合わないのでボランティア的に請け負っているとお話はされておりました。
本当に請け負ったらマイナスなの?
診療報酬以外の所でお金は貰っているけど…?
ですので大体の特別養護老人ホームは診療報酬以外で往診医にお金を払います。
嘱託医報酬で月50万円とか、役員になってもらって役員報酬とか…。
ゆえに本当にマイナスって言うわけではないんでしょうけれど、真剣に利用者の健康をチェックしなくてもいいし夜間飛んで行かなくてもいい所に報酬が乗っているのでどの程度みて頂けるか、飛んできていただけるかは先生次第になってしまうのでしょうか…。
そんな優しい先生が減って来た?
新しい特養では先生を見つけるのが大変…
これもメチャメチャ良く聞く話です。
往診してくれる先生を見つけるって言うのが一番大変だと…。
確かに報酬がマイナスになる部分もあるってなればやりたい人はいない…。
役員報酬は、お医者さんにならなかった息子等にもポストを引き継げるかもしれないですけど、後継ぎとかが居なかったらメリットもないでしょうからね…。
まして個人病院の先生は夜自由になる。
総合病院と違って当直もない。
だから個人病院を開いたって言う人もいるんじゃないかとは思うんですがそのメリットが消し飛んでしまう…。
そこまでして夜間呼ばれるリスクを取るお医者さんはそう多くないのが現状ですね…。
トラブルに巻き込まれる事も…
特別養護老人ホームでももちろん医療事故的な事を疑われたり、お医者さんとグルになって事故を隠しているんじゃないか的な事をとにかくしつこくお話される事ってあるんですよね…。
ある程度長い事特別養護老人ホームで相談援助をしていましたが、一度だけ医師を死亡診断時以外のタイミングで家族へ説明するために及び立てしたことがあります。
病院とははっきり違う特別養護老人ホームと言えど、そのくらいのトラブルは何度かあります。
中には施設を通さずご家族さんが直接病院に凸って大騒ぎになり往診の契約解除的な話にまでなった事もありました。
不必要に夜間の不眠とトラブルを抱えながらで報酬が割に合うのかはちょっとわからない所になりますね…。
主治医以外へ診療は…
例えば内科医が施設の往診を行っており、利用者さん全員の主治医が施設の往診を行っている先生になっていればまだいいのですが、ご家族は内科的症状は長年見ていた○○大病院の○○先生にお願いしたい。
そんなケースも多いです。
そうなると、外部の先生に全てお願いするのか?
って話にもなります。
そんな利用者さんが超微妙な微熱…。
極端な話往診医に相談すると「その人は○○大病院が主治医でしょ?報酬も取れないしお薬出せないよ?」
って話になります。
実際問題、これで家族さんがコンスタントに病院へ連れていけなければ入居しての生活自体が難しくなります。
ちょっとした微熱ですら病院へ行くってなればご家族さんも負担になりますからね…。
大体は最初頑張るけど家族さんが耐え切れずに主治医を変えて下さればいいんですが…。
家族自体がレスポンスが悪くなり医療との関わりが薄くなったり適切な医療が受けられなくなったりします。
だいたいのご家族さんはなんでか調子悪くなるまで病院に連れていかなかった割にメチャメチャ揉めてしまったりもします。
挙句入院が長引いて特別養護老人ホーム自体を対処しなければならないなんてなるととんでもなく大モメします。
しかも外部の医療機関だと連携も取り辛く、言われたい放題…。
そんなトラブルがあったりするので主治医の機嫌によっては入居の時点で難癖をつけられ、入居自体に影響を及ぼすことも実際問題としてはあります。
外部の医師が介入する事も難しい…。
だけど嘱託医は一向見つからない…。
こんな状況ではなかなか辛いんだろうなと思います…。
【公式】ケアマネ介護福祉士的にはメリットデメリットは確かにある
診療報酬を上げれば解決する問題なのか?
【公式】ケアマネ介護福祉士的には、診療報酬を改訂すればいい問題なのかな?
って言う所も疑問にはなります。
正直なところ、利用者さんを実際目にしないでカルテ上だけで終わらせる先生も多いです。
特別養護老人ホームに居る入居者さんの人数や通常の診察時間外で対応しているので時間の制限もあるとは思います。
ただ、実際問題本当に形だけって言う先生方もお見かけするのが実情…。
一生懸命な先生とそうでない先生の差を埋めるために夜間の往診や、直接の診察にインセンティブを付ける必要があるんじゃないのかなと思ってしまいます。
オンライン診療も始まり、これから嘱託医もオンラインで行う自体がもしかしたら通常診察よりも早く導入されるかもしれませんね…。
ドクターショッピングがそれなりに当たり前になってきた中で主治医を固定しなくちゃ生活しづらいのはちょっと時代とマッチしていない
今の時代、ドクターショッピング(いろんな病院や先生に見て貰って自分の思い描いた診断や診察をしてくれる推しを見つける行為)だったり、セカンドオピニオンという(一人の先生じゃなく何人かに見て貰った方が安心だよ?本当に診断があっているかって意味でもさ?)言葉が世の中に定着してきている中、特別養護老人ホームに入ったら問答無用で来てくれる先生に全部お任せしないと色々難しい制度って言うこと自体がもうこの世の中にマッチしていないだろうなと思ってしまいます。
この辺も医療、福祉業界の大きな課題となるでしょうから今後m注意が必要ではないでしょうか…。
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