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デイで「帰りたい」と言うと「帰宅願望」とされる介護の現実

帰りたいと言えば帰宅願望。立ち上がれば徘徊と言われる高齢者

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に株式会社「あおいけあ」代表取締役の加藤忠相が出演。介護の仕事について語った。

加藤忠相

黒木)今週のゲストは、神奈川県藤沢市で介護事業所を運営されている、株式会社「あおいけあ」代表取締役の加藤忠相さんです。

「あおいけあ」は、認知症の方やお年寄りの方が利用されている介護事業所なのですが、一般の方が想像している介護ではなく、その方が困らないような環境づくりを大切にしていらっしゃるということですが。

加藤)認知症というと、イメージとして徘徊をしたり、興奮して暴力をふるうというようなものを想像すると思うのですが、あれは認知症ではないのです。

「認知症」という病名はありません。症状ですから、言ってみれば、咳やくしゃみ、鼻詰まり、腹痛と一緒です。腹痛が起こるには、必ず原因の病気がありますが、認知症も同じです。

有名なのはアルツハイマーや、血管性認知症、レビー小体型認知症などがありますが、それらの病気によって脳の細胞が壊れてしまい、出て来る症状のことを認知症と言うのです。

短期記憶障害という、人の名前などがまったく覚えられないというようなことで困っているのです。

それはくしゃみや鼻詰まりと一緒です。

その人に合わない環境、合わないケアを提供するとその方は困るので、それに対して怒ったり、「ここは自分のいる場所ではないな」と思って歩き回ってしまったりすることを「徘徊」と言ったりするのです。

黒木)「徘徊や弄便などは困っているために出る行動だから、その人が何に困っているのかを見極めて、困っている原因が解決するまで付き合うのが介護の仕事だ」

とご自分の本にも書かれているのですが、見極めるというのも大変ですよね?

加藤)そうでもないと思います。

黒木)そうなのですか。

加藤)デイサービスを見たことはありますか?

黒木)はい。

加藤)デイサービスは7時間提供が基本なのですが、あの椅子を思い浮かべてもらって、黒木さんはあの椅子に7時間も座っていられますか?

黒木)座れませんね。

加藤)おそらく無理ですよね。3時間経って「帰りたい」と言うと、「黒木さんは帰宅願望」と書かれてしまって、5時間経って黒木さんが立ち上がって歩き回ると「徘徊」と書かれてしまうのです。

 

お年寄りはごく当たり前のことを当たり前に要求しているだけなのに、

「問題老人」

にされてしまうのがいまの介護の現場です。

逆に言えば、黒木さんが

「自分だったらここに7時間いられるよ」

という環境を、どうつくって行くかを考える。それがいられる環境だと思うのです。それは施設のような大きな箱ではなく、もっと家庭的で、ソファがあったり畳があったりと、そのような環境をきちんとつくって、

「ここで自分は当てにされているのだ、必要とされているのだ」

という感情になれるようにする。

いいケアを提供することによって、人としてちゃんといられるのです。

黒木)信頼関係が大切になって来ますよね。

加藤)先ほど言った、人の名前が覚えられないという方ですと、みんなが同じ制服を着て、同じ髪型をしていたら、毎回、誰だかわからなくて混乱しますよね。

しかし私のところでは私服です。いつもこのような格好をして、このような髪形をしているお兄さん、お姉さんで覚えていただけるのです。

黒木)なるほど。

加藤)5年付き合っていても名前を覚えてくれないけれど、

「ああ、お兄さん、お兄さん」とフランクに声をかけてくれるおばあちゃんは、名前は覚えてくれていませんが、私のことは覚えてくれているのです。

感情で覚えるようになるのです。私たちが嫌な環境を提供して冷たい対応を取ると、「この人たちは嫌な人だ、ここは嫌な場所だ」

という感情が残るので、

「もう行きたくない」

と、来たとしても一生懸命帰ろうとするのです。

黒木)それでよくデイサービスに行きたくないという老人の方の話を聞くのですね。

加藤)逆に言ったら私たちが7時間~8時間いられる環境をつくり、その人が得意なことやできることを知った上で、

「すみません、これは直せないですか?」

というようにお願いをする。

お年寄りというのは、いろいろなことをやっていたプロの方たちなので、それをきちんとやってもらって活用させてもらう。

「ここは私の場所だ、この人たちはいい人だ」

となれば、どこかに行ってしまう必要がないので、徘徊の心配もないですよね。

鍵を閉める必要が根本的にいらなくなる。

(引用ヤフーニュース)

 

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私の過去記事はコチラ 

『あおいけあ』の社長が黒木瞳さんと地上波でディベート。

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そもそもあおいけあとは?社長のプロフィール

加藤忠相(かとう・ただすけ)/「(株)あおいけあ」代表取締役

■1974年生まれ。東北福祉大学社会福祉学部社会教育学科卒業。
■大学卒業後、特別養護老人ホームに就職するも、介護現場の現実にショックを受け、25歳のときに神奈川県藤沢市で「株式会社あおいけあ」を設立。代表取締役。「グループホーム結(ゆい)」「デイサービスいどばた」の運営を開始。また2007年より小規模多機能型居宅介護「おたがいさん」を開始。
■「あおいけあ」ならではの地域を巻き込んだ独自のケア事業がメディアで紹介される他、2017年公開の映画『ケアニン~あなたでよかった~』のモデル事業所に。
■2019年2月には「アジア太平洋地域の高齢化に影響を与えている最も影響力のある指導者」に選ばれる。

ケアニンのモデル事業所?そもそもケアニンとは?

ケアニンとは、私もよくわかっては無いのですが介護関係の団体みんなでお金を出しまくって作った映画になっておりまして、率直に言えば介護のイメージアップを図るための自主製作映画みたいなものです。

ちなみにケアニン2も出ておりますのでドウゾ興味があればご覧ください。

ただ、本当に介護関係団体総力を挙げており、協力団体だけでも

 

<協力>全国社会福祉法人経営者協議会
全国小規模多機能型居宅介護事業者連絡会
一般社団法人 全国介護付きホーム協会
公益社団法人 全国有料老人ホーム協会
公益社団法人 全国老人福祉施設協議会
公益社団法人 全国老人保健施設協会
公益社団法人 日本介護福祉士会
公益社団法人 日本介護福祉士養成施設協会
一般社団法人 日本在宅介護協会
NPO法人 未来をつくるkaigoカフェ
一般社団法人『民間事業者の質を高める』全国介護事業者協議会

 

とそうそうたる団体各位…。

さらに個人的に施設で協賛している所も多く、

 

グループホーム ひなた園
特別養護老人ホーム 松丘園
小規模多機能ホーム 福ちゃんの家
特別養護老人ホーム さくら
障害者支援施設 みずき
看護小規模多機能ステーション ルピナス川口
特別養護老人ホーム いすず苑
有料老人ホーム シニアハイムうさぎ
秦野老人保健施設 みかん
障がい者訪問介護事業所 きせき
小規模多機能型居宅介護事業所 こころね
小規模多機能 快杜
宅老所 和が家
芳珠記念病院
ショートステイ輪
さかい内科・胃腸科クリニック
まちのナースステーション八千代
箕面レディースクリニック
小規模多機能型居宅介護 飛鳥の郷
特別養護老人ホーム ケアポート板橋
多機能ホーム とやけの花
ふくやま病院
通いの家おはな
デイサービスのおうち 晴れる家まくはり
ぬぐまるの家
特別養護老人ホーム ハーモニーハウス
特別養護老人ホーム ハーモニーみどりヶ丘
アシステッドリビングホーム 豊泉家桃山台
特別養護老人ホーム 芙蓉園
デイサービスおたがいさん
ハピネスホーム・ひなぎくの丘
中野友愛ホーム
渋谷区けやきの苑・西原
中野区かみさぎ特別養護老人ホーム

 

の方々が参加されており、続編も公開中という介護業界全体の大きな試みの割には介護関係者しかみていないと評判ですが…。

それでも参加協力する施設さんとかはとても先進的なところが多く、私も参加施設のショートステイ輪さんからはお仕事をチラホラオンラインイベントでお仕事を貰ったこともある先進的な施設さんも参加されているみたいですね。

 

ケアニンのストーリーは?

公式ホームページを引用すると

大森圭(男性・21)は新人の介護福祉士。
高校卒業後、これといってやりたいことがなかった圭は、漠然とした理由で介護の専門学校へ入学。
卒業後、圭が働くことになったのは、郊外にある小規模介護施設。
認知症の高齢者たちと上手くコミュニケーションが取れず、悩む日々が続くなか、
圭が初めてメインで担当をすることになったのは、認知症の星川敬子79歳。
試行錯誤しながらも、先輩スタッフたちの協力もあり、少しずつ敬子との関係性を深めていく。
「なんとなく」で始めた介護の仕事に、いつしか本気で向き合うようになっていく圭だったが…。

 との事で、全国各地で公開されておりました。

なんとDVDも出ているみたいですね…。

 

そんなモデルになっているあおいけあ

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あおいけあさんは結構先進的な取り組みをしていて、常にメディア露出している施設さんになりますね。

ケアマネ介護福祉士も前回記事にしていました

(詳しくはコチラ⇩⇩)

keamanekaigo.hatenablog.com

 そんなあおいけあが認知症介護に物申す

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徘徊の定義に物申す

あおいけあいわく、

『デイサービスに7時間も行って帰りたくなるのは当たり前。』

『だから帰りたくなったのに、それを徘徊っていう事自体がおかしい』

という事ですね。

確かにその通り…。

確かにその通りなんですけど、業務が多忙でその現実すら受け入れられない状況で働いているのが今の介護業界…。

それをあおいけあはぶっ壊したい…。

そんなところから始まったんでしょうがコレを本気でやっちゃうのがこの法人さん。

どこの施設でも出来る事や、どの職員も共感できることではないです。

 

あおいけあだから出来る…。

まあマネできないだろう?でもコレがニューノーマルだ。

ニューノーマルというか当たり前なんだ。

だから業界全体ついてこい!!

みたいなオラオラ系(ケアマネ介護福祉士の独断と偏見)の法人さんです。

 

立ち上がれば徘徊?困っている症状の表れでしょう?

これもその通りですね…。

立ち上がってうろうろする理由を本来は考えなければならず、それが介護の当たり前なハズなのに…。

いつの間にか忘れてしまう…。

本来徘徊というのは症状の一つで問題行動ではなく、その裏に利用者さんが何か困っていたり不安を感じている証拠…。

その不安や困りごとを取り除くのが介護の本来…。

 

原点に立ち戻り、それを実行できる法人さんが介護業界の先頭を走っているのは少し安心しますね。

 

これからもあおいけあの動向には注目してくべきかもしれません。

 

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