ラストピースを探求させるマネジメントコンダクター
- ラストピースを探求させるマネジメントコンダクター
外川 大由
The Little Days & Co. CEO
オランダと日本を拠点に活動中
『ラストピースマネジメント』著者
H.Togawa@著書ラストピースマネジメント (@hiroyoshitogawa) | Twitter
丸山 隼人
今回のインタビュー発起人
株式会社結の樹代表取締役
丸山隼人🌳#介護職を憧れの職業に (@_Mhayato) | Twitter
【公式】ケアマネ介護福祉士
ライター兼ブロガー
【公式 】ケアマネ介護福祉士 (@BWm7LDaUhfW1TPC) | Twitter
『ラストピースマネジメント』著者 外川 大由とは何者?
彗星の如く現れた著書外川大由の経歴と現在に迫る
【公式】今回の著書をインタビューする前に簡単な自己紹介や経歴をお願いいたします。
コンサルティング会社での経験をふまえ、今は自身でコンサルティング会社を立ち上げて、それと並行して訪問看護事業も運営しています。
【公式】何がきっかけでコンサルティング業を始めたのですか?
私は、福祉系の大学に通っていました。その際、社会福祉士の受験資格を得るために介護実習先として特別養護老人ホームに実習に行きました。
その施設は、介護職員が全員介護福祉士を持っており、5年間も退職者が一人も出ていないような「素晴らしい施設」だと言われていました。
そんな背景もあり、教授も「素晴らしい法人だから、ぜひ実習に行ってしっかりと学んできなさい」と言ってくれました。
しかし、その施設がとんでもない施設だったのです。
実習初日。一歩足を踏み入れた瞬間に、職員が入居者さんを怒鳴りつけている現場を目撃しました。
「何度同じことを言わせるの!」「ここに座っていてって何度も言っているでしょう!」と怒鳴り散らしていたのです。
しかも、それを目の当たりにしているはずの別の職員もいっぱいいるのに、誰一人として注意しないような環境だったんです。
しかし、そんな施設が「素晴らしい施設」だと言われていることに大きな違和感を覚えた同時に、怒りも湧き起こってきました。入居者さんの尊厳を踏みにじる行為は絶対に許せないと思いました。
そこで自分のキャリアを見直しました。
介護職という仕事ももちろん大好きでしたが、適正運営をすることこそが社会福祉事業に求められる最低限の使命だと考えるようになりました。
そして、コンサルティングの仕事をしようと思い、コンサルティング会社のヘルスケア部門に入ったのがきっかけです。
その後は、独立をして自分でもコンサル会社を立ち上げて、今は訪問看護も運営しています。
私自身、看護師資格はありませんが、質の高いコンサルティングサービスを提供していくためには、実際に自分自身で会社経営をして、介護事業をやることによってしか得られない情報のためにしっかりとインサイダー化しておかなければならないと思ったのが一つのきっかけではあります。
もちろん起業の理由はそれだけではなく、地域社会に貢献したいという明確な理由もあります。
当時色々と考えていたのが、もし仮に介護施設や訪問介護を経営した場合、私自身が直接的なプレーヤーになる事も出来ました。
しかし、唯一、訪問看護だけはプレーヤーになることが出来ないんですね。なぜなら、看護師資格がないからです。
色々な看護や介護などの価値観が存在する中で、看護資格のない僕がいかに看護師をマネジメントできるかを体現したかったという思いはあります。
そして、自社運営でしたら思考錯誤しながらコンサルティングのケーススタディが出来ることも大きなメリットだと思いました。
ただ、誤解の無いように言っておきますが、先述の通り、ただケーススタディとして情報をインプットしたいがためだけに訪問看護を運営しているわけでは決してありません。
訪問看護のサービス提供は、医師による指示書が必須ではありますが、そのサービスの幅は非常に自由度が高く、ケアマネジメントの幅が広い事も訪問看護設立を決意させた重要な要素です。
気がつけば、訪問看護は今年で6年目を迎え、スタッフも看護11人+リハビリスタッフ2人になっています。
今後はもっともっと大きくして、看護師30人規模で運営したいと思っています。
複数拠点を作ることに関心はなく、一つの拠点のみで看護師30人の訪問看護ステーションを目指しています。
【公式】コンサルティングって実際どんなことをしているんですか?
現在、クライアントが多い業種は、医療機関、介護施設などの福祉系です。
私の場合、簡単にいうと「ぐちゃぐちゃの組織を立て直していく」ことを専門にやっています。基本的に年単位での契約になるケースがほとんどです。
そして、コンサルと名乗る人たちが一体何をやっているかというと、私は大きく3つに分けることができると思っています。
まず、0から1を作るコンサル。
これはシンプルで、新規開設や規則制定時の場面で活躍する人たちです。
次に、1から10に伸ばすコンサル。これは、ざっくりいうと売り上げを伸ばしましょうとか患者さんを獲得するためのマーケティングなどで活躍する人たちです。
そして、最後に。マイナスを0にするコンサルです。
これは完全に私がやっているコンサルティングサービスで、「組織改革をしなければならないが、まず何から手をつけたらいいのか分からない」といった相談がスタートになります。
その他にも、人材マッチングのコンサルだったり、人材育成のコンサルだったりを得意とする人もいるようですが、残念ながらぐちゃぐちゃの組織を立て直すためには、人材育成のみをやったところで立て直しは不可能です。
「人材が足りていない」「資金が無い」とぐちゃぐちゃの法人に対して、「では、スタッフを教育しましょう」といったところで時間が足りないどころか、論点がズレすぎています。
それをやることで余計に組織を混乱させます。
自分の経験だけでコンサルティングをされる方も多いようなので、今の自分たちにはどんなサポートが必要なのかをしっかりと見極める必要があります。
このように、コンサルティングといっても非常に幅広いサービスがありますので、「コンサルが介入しているから、この事業所は危ない」という定義は必ずしも当てはまりません。
また、一方で「社会福祉法人は倒産しない」という神話は、もう10年前から大きく崩れています。
社会福祉法人の倒産というのは、実際に厚労省が算出している数値よりも実は全然多くて、それは「倒産」ではなく「譲渡」になるケースがほとんどです。
倒産という定義ではなく、いかにして綺麗に事業譲渡や経営継承するのか、というケースが増えているのは事実です。
ラストピースの核心を探る
購入者が誰も語らないラストピースとは一体何なのか?
【公式】ラストピースマネジメントってどんな物語なんですか?
主人公は、介護主任になったばかりの一人の青年です。
教育を受けずして中間管理職になってしまったため、この小説の中では常に5~6個の問題が同時並行していきます。
まず、典型的な問題としては、圧倒的な人材不足。
そして、採用してもスグに辞めてしまう。
潜在的に辞めたいと思っている人も非常に多く、社内エンゲージメントが低い。
なにかがトリガーになった瞬間、一斉に辞めてしまう。些細なミスでも叱責されてしまう。
このように、組織不全が起こっている施設にありがちな、「恐怖に満ち溢れた組織」を主人公がどのように立て直していくか、というのがこのストーリーの概要になります。
【公式】余りにも「あるある」過ぎて…。どうやって主人公は解決していくんですか?
組織不全を起こしている法人が、いくら採用を強化したところでうまくいくはずがありません。
大きな穴の開いたバケツに水を入れたところで、いくら水を入れても溜まらないのと同じです。
まずは、バケツの穴を閉じましょうということです。
つまり、社内マネジメントをしっかりと整えましょうねといったところがスタートラインです。
そのため、小説自体はあえて時系列を作っていません。
なぜなら、この本を呼んでくださった方が、組織改革をしようとした時に期間を設定しない方がいいのかなと思ったからです。
その理由としては、組織の大きさや成熟度、または社内体制によって立て直し期間は大きく変わりますので…。
【公式】この本は、これまでにコンサルティングをしてきた経験からの実体験なんですか?
はい。ほぼ実体験です。
もちろん、ラストピースマネジメントの中で起こる問題についてはシチュエーションを変えてはいますけど、ほぼ実体験です。
この本の問題なんて可愛いもので、実際にはこれ以上の修羅場ばかりを経験しています。
【公式】なぜビジネス本ではなく、小説という表現にしたのですか?
よくあるハウツー本では表現しきれなかったからですね。
よくあるビジネス本のようなものだと、仕事は仕事、家庭は家庭というそれぞれのトピックスでしか語られないのが一般的でした。
でも、実は「家庭」と「仕事」はとても密着していて複雑に絡み合っています。
そして、その絡まりあった蔦を紐解いていくためには、小説という形でしか表現が出来なかったんですね。
また、ラストピースマネジメントは、介護業界初のマネジメント小説本です。
マネジメントやビジネス本って言うと、アレルギーが出そうな人や敬遠しがちな人がいっぱいいるだろうなぁと想像しました。
そこで、小説にすることで、誰にでも手に取ってもらいやすくしたいという想いも込められています。実際に、高校生たちが何人も手に取ってくださっています。
社内をどうマネジメントしていくかだけではなく、仕事が上手くいったりいかなかったりした時に、やはり犠牲となってしまうのが家庭であり、家族間に大きな歪みがでてきてしまいます。
そういった時こそ、仕事と家庭をどう両立していくかという視点が欠かせません。
それをきちんと表現するためには、「マネジメント×小説」という表現方法しかないと思いました。
【公式】みんなの感想を読んでも「ラストピースとは⁈」って誰もハッキリ書いていないのですが、結局どういう意味なんですか?
これは、とても深いです。
結論から言うと、「ラストピース」というのは読む人によって全く違います。
なので、読者レビューはかなり異なります。
「感動しました」というレビューもあれば、「胸が苦しくなりました」という真逆のレビューもたくさんあります。
身近な人に「ありがとう」を伝えたいと思った人もいれば、「ごめんなさい」を伝えたいと思った人もいるはずです。
さらに、読み手がラストピースマネジメントを手に取ったタイミングや時期によっても、「ラストピースとは何か」の問いに対する答えは千差万別です。
そして、この本を読んですぐにラストピースを見つけられる人もいれば、5年後にフッと見つけられる人もいると思います。
このように、実はとても立体的になっている仕掛けがしてあります。
【公式】これだけは覚えていて欲しいって言うポイントは?
ズバリ、マザー&ファザー理論ですね。ざっくりいうと子育てと一緒の理論です。
組織マネジメントが上手くいかないと、ついつい「企業理念が大事だ!」と謳ってしまいがちになりますが、それは子育てでいうならば「父親的な強さ、価値観」の植え付けにしか過ぎません。
組織マネジメントを整えていくためには、子育て同様にまず「母親のような安心できる環境」が必要になります。
ここ最近だと、心理的安全性という表現をする場面もあるようです。
このように、まずは「マザーの愛情」という土台が必要で、その次に、「ファザーの強さや価値観」という順番の理論になりますね。
それをマザー&ファザー理論と名づけ、理論立てしています。
間違っても、いきなり「ファザー」ばかりを先行させないように注意が必要です。
ファザーの色が強すぎると、組織に恐怖が蔓延します。
組織に恐怖があると、クリエイティビティが発揮できなくなります。
そうなると組織不全を起こし、企業は衰退することが安易に想像できます。
【公式】順番の話?順番を変えるだけで大きく変わるんですかね?
はい。組織のマネジメントは、ほぼ「マザー&ファザー理論」に当てはめると大体の課題がはっきりしますので、そうすることで課題解決までの道しるべがはっきりと分かります。
これだけ経済が衰退している中で、企業がクリエイティビティを発揮しなければ社会にインパクトを残せません。
そのために、まずは組織から徹底して恐怖を取り除くことが急務です。
そのために、「マザーの愛情」という土台を徹底していくことが求められます。
また、法人は「採用を強化して会社を立て直そう」とか「人材育成をしよう」と【点】で見てしまいがちです。
しかし、組織マネジメントを整えるうえで、その【点】と【点】をしっかりと結んで【線】にしていく必要があります。それこそがマネジメントの真髄です。
もちろん、安心して働ける環境を構築することはとても大切ですし、仕事だけでなくスタッフ一人ひとりにはそれぞれの家庭があることを私たち経営者は決して忘れてはいけません。
働く環境を整えるということは、誰かの人生の幸せに直結することを意味します。
ラストピースマネジメントの誕生に迫る
コンサルティングという「ビジネス書籍」と「小説×介護」という異色の組み合わせ。その真相とは?
【公式】ラストピースマネジメントの書籍化に至った理由はなんですか?
ラストピースマネジメントは、描き始めてから完成まで3年2ヶ月もの期間がかかりました。では、なぜ素人の私が小説を描き始めたのか。
実は、3年2ヶ月前に介護職である友人が自ら命を絶ちました。奥さんと2人の可愛い娘さんを遺して。後から聞いた話ですが、職場での人間関係がとてもつらかったようです。そこで、彼が生きた証を残したいと思ったし、私自身も命についてとても真剣に向き合い、色々と考える機会になりました。
そして、この物語を書き始めました。僕たちの生きた証を残すために。
そのために僕が頑張って活動していれば、きっといつか出版社からお声がけいただけるだろうなと思っていました。そして、運よく出版社とご縁があり、出版することが確定したのがちょうど1年前(2020年10月)です。
本の中身については、ぜひお読みいただいてからご評価いただきたいのですが、読んでいただいた方に「こんな本、時間の無駄だったわ」と思われないようにしたくて、とにかくこだわり抜いて描きました。その結果、3年2ヶ月もかかってしまいました。
【公式】本を執筆されている最中も、きっとたくさんの苦悩があったと思います。
はい。一言で集約するならば、「とても難しかった」。この一言に尽きます。
なぜなら、私みたいな素人が基礎もないまま小説を描くわけですから…。
それに、やはり出版社が希望するページ数などの兼ね合いもあるので、マネジメントの全ては描ききれませんでした。
しかし、私がマネジメントについて伝えたかったことの8割は描けましたのでとても満足しています。
3年2ヵ月かけて描いたマネジメント術が、たった3時間で読めて1760円で読めるのはすごくお得だと思います。
【公式】ラストピースマネジメントを描いている中でスランプはありましたか?
ありましたね…。
書いていくうちに、ストーリーの整合性が取れなくなるんです。
例えば、主人公が前半でしゃべった言葉と後半でしゃべった言葉が全然違ったり…。
「ラストピースとは何なのか」を突き詰めるために、色んな伏線を張らないといけないし、もちろん回収もしなくちゃいけない。
「小説」というツールと「マネジメント」という部分がお互いに強調しすぎて喧嘩してしまい、上手く調和できない。マネジメント色が強くてもダメだし、小説色が強くてもダメだし…。そのバランスを突き詰めるために、とにかく大変でした。
結果として、うまくストーリー性を保ちつつ、マネジメントもしっかりとお伝えできたので良かったです。
【公式】ラストピースマネジメントがどんな本になってほしいですか?
まず、この本の一番の願いは、誰か一人でも多くのラストピースが見つかるようにと願いを込めました。
僕の友人は、自ら人生を投げ出してしまいましたが、誰かの心が癒されて、そして人生が豊かになればいいなと強く願っています。それは、家族関係だったり親子関係だったり夫婦関係だったり。誰かの心が救われますようにと、いつも願っています。
そして、結果として1万冊。つまり一万人に届くと嬉しいです。
僕はある程度の長いスパンでこの本が社会に認知・浸透すればいいなと考えています。
よくある瞬間風速で売れて、そのまま忘れ去られて消えていくのだけは嫌で、中長期的に読んでもらえるような「何これ、どういう意味?」というようなタイトルにしました。
書店によってはビジネス本ではなく、小説コーナーで取り扱ってくださっており、幅広い層の方に読んでいただけることを期待しています。
【公式】タイトルはどうやって決めたんですか?
『ラストピースマネジメント』というタイトルは、実は入稿ギリギリまで決まらなくて、本当にギリギリまで迷ったタイトルです。
タイトル自体は40個近くリストアップしたのですが、『ラストピースマネジメント』にするか『僕はまだ五歳のまま』というタイトルでかなり迷いました。出版社の方は『僕はまだ5歳のまま』というタイトルをすごく推してくれました。なぜなら、ストーリーの中で「5歳」というのが一つのテーマだからです。
ただ、やはりこの本は「タイトルが面白そうだから読んでみよう」という、いわゆる“ジャケ買い”というのは期待できなくて、手に取ってもらってようやくラストピースの意味が分かる本に内容になっているので、色々とハードルが高くなってしまいました(笑)。
【公式】確かにマネジメントや経営学の本で、施設の本棚とかにあるイメージは『ラストピースマネジメント』だし、一瞬ブームになった介護系の小説ってなると『僕はまだ5歳のまま』っていう感じがします。タイトル決めの苦悩が伝わってきますね。
おっしゃる通りです。一瞬だけ売れてフェードアウトしていくよりも、ずっと長く読まれる本になってほしいと願いを込めました。
なので、タイトルは最後の最後までずっと迷いましたが、最終的には『ラストピースマネジメント』にして良かったと思っています。
【公式】続編はもちろんですけど描き始めているんですよね?
はい。
実は、もうラストピースマネジメント2はもう描き始めています。でも、まだ序盤です。今度は、まさかのあの人が主人公になります。ラストピースマネジメントにも出てくる、あの人です。楽しみにしていてください。
ちょっとだけお話しすると…、「どうしてマザーファザー理論が出来たのか」とか、「マザーの土台作りや、その土台を作っている途中で起こる問題点についてのアプローチ」などを細かく描いていくのがラストピースマネジメント2です。
外川さん的に、このラストピースマネジメントの見どころはどこになりますか?
3年2か月かけて描いたマネジメントの理論が、たった3時間で学べてしまうこの本すべてが見どころです。
というのも、全てが蔦のように絡み合っているので、それを根本的に紐解くためにはこの話の一部が欠けていてもダメなんです。だから、この本のすべてが見どころになります。
経営者から見る『ラストピースマネジメント』の評価は?
愛知県内で活動する二人の経営者。
職員全員に配布した株式会社結の樹:代表の丸山氏はラストピースマネジメントという書籍に何を求めたのか?
【公式】丸山さんは施設の職員さん全員にこの本を渡したとの事でしたが、丸山さんが個人的に泣けたところってどこでした?
【丸山】僕は、4か所くらいありましたね。
一番最後はクライマックスなのでもちろん泣けたのですが、そこを除くと、夏祭りのイベントで花火を打ち上げたいっていうところです。
これはもう絶対無理だろって誰もがおもっていたところを、企業が協賛してくれて達成する瞬間がグッときて…。
僕らが生きるうえで頑張っても報われない事はたくさんあるんだけど、頑張って報われることも結構あるんだよねっていう所でグッときましたね。
で、将来は協賛する側の企業にならないといけないのでもっと稼がないといけないと思いました(笑)
そうやって街づくりが行われて行くんだなって思いました。
そこが例えフィクションであれ、ノンフィクションであれ(笑)
完全にフィクションです(笑)
【公式】そんな泣かせるところをフィクションで描いているなんて本当に小説の部分は小説なんですね(笑)他にはどこで泣きました?
【丸山】公式さんお子さんいましたよね?家族とのやり取りで必ず一回は泣きます。
ぜひ、読むのを楽しみにしていて下さい。
あと僕が泣いたのはあの女性スタッフと面談した時と…。
そこは読んでのお楽しみですね。
【公式】職員さんにも読んでもらったんですよね?どんな感想でした?
【丸山】職員全員に配布して、読んでもらっています。
スタッフに「あなたにとってラストピースってなんですか?」という問いかけをして、「私の施設で考えられる現状の課題ってなんですか?」と、職員の役職によって質問を変えたうえで、この本の感想を書いてもらってます。
まだラストピースを答えられる人はいないですけど、それを探していくのが今後の目標でいいんじゃないかな?って思ってます。
【公式】施設の課題に向き合うきっかけにはなりました?
【丸山】はい。マザー&ファザー理論はある程度できているけど、スタッフからは「グット&ニューを新しく始めたい!」という意見がすでに出てきて、実はその声を待っていた所だったのでとても嬉しく思っています(笑)
うちの課題としては、実際にマニュアル化がまだまだできてないけど、マニュアル化しすぎると今の良さがなくなるよねっていう課題も出てきています。
その辺に関しては、ぜひ外川さんに来てもらってコンダクターとして指揮してもらえればと…(笑)
恐れ多いですよ(笑)
マネジメントコンダクターとは?
作者外川流マネジメントが垣間見える瞬間
【公式】外川さんはマネジメントコンダクターという事ですがコンサルとはどう違うんですか?
コンサルという人達が増えてきて、色んな人がいるので僕は自らのことを【マネジメントコンダクター】と言うようにしてます。
マネジメントコンダクターというのは、指揮者(コンダクター)としてさまざまな特徴を持った音色(スタッフ)をハーモニーとして奏でることです。
たとえ、個という単音では響かないことも、ハーモニーとなることで綺麗な音色を奏でてくれます。演奏においては、指揮者だけがリーダーではなく、たとえばトランペットのソロがあればその瞬間はトラペットが主役になります。
組織におけるカリスマ一人だけがリーダーと呼ばれる時代はとっくに終わっていて、場面場面でリーダー変わるのは自然なことです。
そしてそれを知的に理解し、全体を俯瞰的に見たうえで指揮できる者こそが真のリーダーだと考えています。
これは、私が考える組織マネジメントの理想とも言えます。
このように、マネジメントを通して、個性という能力を最大限に生かしたいと思い、マネジメントコンダクターと名乗っています。
現時点において、マネジメントコンダクターは、おそらく世界で私一人でしょう。
丸山さんの施設でも、施設長や管理者もケアコンダクターっていう名前にしましたね。
スタッフに呼び方を、「ケアリーダー」と「ケアコンダクター」で統一しようと思っています。
実際には私が施設長だったりしますが、実際の仕組みってなるとそうじゃない事の方があるじゃないですか?
その中で、すみわけと違う言い方を探していたところで、凄くしっくり来たので決めました。
そして、そのケアコンダクターやケアリーダーを育ててくれるのがマネジメントコンダクターであって、ラストピースマネジメントの実践を出来ているのかをしっかり確認してもらいます(笑)
あれもこれもできていないじゃないかと怒られそうで…。
いやいや完璧なところなんてないですから(笑)
インタビュー後記
初の著書『ラストピースマネジメント』を通じて、マネジメントコンダクター外川大由氏という職業の方に初のインタビューとなった【公式】ケアマネ介護福祉士。
コンサルティングという名前が浸透してきた世の中で、玉石混交のイメージがあり、実際どんなことをしているかも不透明だった業種。
その不透明な部分も著者自身は差別化したい。
独自のコンサルティングを広めるべくマネジメントコンダクターという肩書で活動されている信念や確固たる意思、情熱が伝わるインタビューとなった。
このインタビュー記事が上がっている頃には著書とは別のマネジメントコンダクターとして海外と日本を繋ぐ架け橋となる事業が展開されている予定になっている外川 大由氏。
その件についても、「日本国内の介護技術や環境の評価」と「世界的視点から見た評価」の二つが大きく異なっており、介護技術をアジアへ輸出できるくらい素晴らしいものだと日本自身が評価している中、実は先進国に比べ大きく後進している事を危惧し、海外の介護技術や考え方を輸入するべく海外に支所を立ち上げ今頃は世界中を飛び回っているのかもしれない。
著書が世界を股にかけ、マネジメントコンダクターという新しい名前と『ラストピースマネジメント』という介護職のためのエンタメ小説が広く世界に周知されるのもそう遠くない未来なのかもしれない。
そんな著者がセミナーを開く?
しかも収益は全額子ども食堂に寄付するって話…。
【公式】ケアマネ介護福祉士も2時間近くかけて参戦することにした!!
ZOOMと非常に迷ったが現地でお会いできるのを楽しみにしている。