延命治療と看護師の苦悩?実体験に学ぶ自分たちがやるべきこと
- 延命治療と看護師の苦悩?実体験に学ぶ自分たちがやるべきこと
「その……父が今、死んでしまうと困るのです。マンションが建つまでは生きていてもらわないと」
医師と看護師の私は、家族の返事にびっくりして顔を見合わせました。
救急車で運ばれた高齢の患者、Mさんは意識がなく、いつ呼吸が止まったり、心臓が止まってしまうかわからない状態でした。
今より状態が悪くなる場合、どこまで治療を行うかを家族で決めてほしいとお願いし、その答えだったのです。
Mさんは82歳の男性で、高血圧症で通院されていました。
年齢の割に元気な印象で、肥満ぎみですが、介助の必要なく自立して生活を送られていました。
家族の方が家を訪ねると、うつ伏せに倒れているところを発見され、救急車で運び込まれたのです。
検査の結果、脳梗塞であるとわかりました。
入院し治療を開始しましたが、高齢であり、発症してすぐであることから、呼吸や心臓が止まる可能性もある状態です。
状態が悪くなった場合に、どこまで治療をするのかを家族に説明し、希望を聞きます。
現時点ではMさんの意識はなく、点滴と酸素の治療を開始していました。
医師よりMさんの家族である、息子さんと娘さんへ説明がありました。
人工呼吸器の装着や心臓マッサージをすれば延命の可能性もあります。
しかし高齢であるため、延命治療の効果が得られるかは不透明です。
人工呼吸器が外せる状態まで回復できなかったり、心臓マッサージの影響で肋骨が折れてしまうというリスクもあります、などと効果とリスクについて説明されました。
私の経験上、このような説明を受けた家族のほとんどの方は延命治療を希望されない方が多い印象です。
しかし、予想は裏切られました。
「必要があれば人工呼吸器でもなんでもつけてください。できる治療があるならしてほしいです。父が死ぬと困るんです」
息子さんはまっすぐに医師を見て答えました。医師も私も、その答えにびっくりしました。
説明が足りなかったのかと、医師はさらに詳しく補足しましたが、娘さんからも同じ答えが返ってきました。
「今、お父さんが亡くなったら、私たち家族が困るんです。……あともう少しでマンションが建つんです。完成するまでは生きていてもらわないと」
娘さんも、戸惑いつつもはっきりと伝えられました。
どうやら、Mさんは地主で、家族で不動産業を営んでいるようです。
さらに現在、マンションを建設しており、今亡くなると引き継ぎや相続などとてもややこしくて、家族が大変になってしまう、Mさんは家族が困ることは望んでいない人だ、と一気に娘さんが話しました。
家族の意思がかたいことを医師も私も確認し、いざというときはできる限りのことを行う方針になりました。
その後、夜中に状態は悪化し、酸素を送るだけでは呼吸を維持できない状態で、口から挿管チューブを挿入し、人工呼吸器を装着したと翌日の勤務時に申し送りを受けます。
(82歳でどこまで回復できるのだろうか。まだ意識も戻っていないのに)
この治療が本当にMさんのためなのかがわからず、モヤモヤを抱きながら日々の看護にあたりました。
しかし、Mさんの生命力の方がすごかったのです。数日後には目が開き、声をかけると目が合います。
徐々に自分自身で呼吸ができるようになり、人工呼吸器を外すことができました。
状態が安定し、リハビリも始まります。ここまでの回復は奇跡のようにも感じましたが、脳梗塞の後遺症としてMさんには右片麻痺と失語症が残りました。
右半身が思うように動かすことができません。
失語症とは言葉をうまく使えない状態のことです。
具体的には、言葉が浮かばない、言葉が理解できない、文字の理解も書くこともできなくなってしまったのです。
右片麻痺があるため、体をうまく支えられず傾いてしまったり、左腕も筋力が低下してしまい自分でご飯を食べることもできません。
日常生活を送るためには誰かの手伝いが必要な状態になってしまいました。リハビリを行いますが、回復するにはかなりの時間がかかるし、麻痺とは付き合っていくしかありません。
私の勤める病院は急性期の病院であったため、状態が落ち着くと退院を考えなければいけませんでした。
Mさんの場合は、リハビリテーションに特化した病院に転院するか、在宅で訪問看護を利用するか、介護施設に入所するかを家族に選択してもらいます。
家族は介護施設に入所することを希望され、Mさんは退院されました。
入院された状況から考えると、状態が落ち着いて退院できたことは素晴らしいことだと思います。
あのとき、人工呼吸器を装着する選択をしたことは良かったのかもしれません。しかし、自分の思うことを伝えられず、体も不自由な状態で生きていくことはMさんにとってはどうなんだろう、とモヤモヤは残りました。
Mさんは何も話すことなく退院してしまいました。
看護師として働いていると、わりきれないことや正解がわからないことに直面します。わからなくても進まないといけない、答えを決めるのは患者さんや家族なのだからと言い聞かせています。(看護師ライター・松井 英子)
(引用ヤフーニュース)
賛否両論の延命措置
本人に意識が無いと…
そう…。
本人が意思を示せる場合は問題がないんですけど…。
本人が意識を示すことが出来ない場合はキーパーソンという家族の代表みたいな人に意見をまとめてもらう事が多いです。
家族でどうするこうするみたいなのを話し合っても決まらないことが多いんですよね。
お葬式と一緒で、絶対横やりが入る事が多いので…。
コチラとしても想定しているので、なるべく最小限の人に説明して、なるべくすぐ決めてもらう事が多いです。
本当に困るのが
『少し考えさせてください』
というやつですね。
少し考えて…。
って、そんな時間があるかどうかわからないからコチラも決断を急いでもらえるように少人数に話しているんですよ…。
これ、持ち帰って家族でとか親類で議論するとかしたらまずもって決まりませんからね…。
そんなこんなしている間に患者さんの状態が変わって、議論の余地もなく延命治療開始…。
あるいは延命治療で苦しませながら最期を見送る…。
よくある話です。
脅しではなく本当によくある話なので、そうならないようにしてほしいなと思う【公式】ケアマネ介護福祉士なのでした。
看護師の苦悩に賛否両論?
ヤフーニュースコメントでも賛否両論のワケは?
引用記事のヤフーコメントでは『ライターの看護師が感じたモヤモヤ』という点で大分あれていたなって思っちゃいましたね。
【公式】ケアマネ介護福祉士もちょっと引っかかった部分ではありますね。
苦悩するのは家族ですよ?
ざっくりコメントを見ると、延命治療をしようがしまいが、それは家族やキーパーソンが決める事であり看護師さんが決める事じゃない。
だからコメントが盛り上がってしまったんでしょうね。
正気な話その通りなんですよ?
看護師にも医師にも決める権利は無くて、病状の説明や今後考えられる経過は説明する必要があるだけ。
どれだけ名医だろうがどれだけ志に燃えていようと決める事ではないんですよね…。
でもそれ人間の気持ちを捨てろって事?
そうなんですよね…。
ホントにヤフコメさんたちの言う通りなんですけど、じゃあ看護師は与えられた業務を遂行するだけで何か思っちゃダメなんですかね?
気持ちを持っちゃいけないならAIに変われる業務になっちゃうかもしれないですよ?
ライターだからまずいのかな?
まあライターがそういった感情を書いて、ヤフーに乗っちゃったから問題なのかなとは思ってしまいます。
でも、この人ライターだけど、その前に看護師さんなので、そういった気持ちの部分も発信していく必要があるのかもしれないし、看護師だからこそ描ける記事があるんだろうなって思います。
【公式】ケアマネ介護福祉士もそうなので…。
むしろ気持ちの部分を取り除いた記事であればもう大手さんとかがとんでもなくわかりやすいフローチャート付きとかで記事を上げているんだからそれを見たらいいよ?
ってなっちゃいますもんね…。
延命治療は税金が投入されまくっている
医療費は7~9割が税金
延命治療の是非を問うコメントも多かったですね…。
確かに医療費は7~9割が税金なので不必要な延命治療自体は賛否を呼ぶ行為なんだとは思います。
今回は個人の意思よりは、個人の財産を守るために延命治療したように見える記事ではありますからね…。
医療費が膨らむのは仕方がない事
医療費が膨らむっていうのは確かに仕方ないのかなって思いますね。
医療がどんどん進歩しているし…。
ただ、みんな延命治療は望まないって口々に言うんですよね…。
でも、本人が生前元気な時に言っても全然通じないんですよ…。
じゃあそれってなんでかなって時、【公式】ケアマネ介護福祉士的には答えが出ているんですよね。
そもそも延命治療というのが漠然過ぎる
そもそも、延命治療って何のことを指しているんでしょうね?
特別養護老人ホーム等の施設は医療行為にも制限があります。
出来ること、出来ないことがある中で、すごく突拍子もない事を言う人っているんですよね…。
病院と一緒の事を望むご家族様も多い。
かと思えば病院は入院させたくないっていうし…。
病院に入院してもいざ延命治療を希望しませんと宣言しても、どこまでを延命治療ととらえるか?
によって大きく話が変わります。
病院は治療が無ければ退院させますので、『一切医療行為は希望しません』と言えば退院させられちゃいますので、家族介護が待っています。
それが家族内全員で共有できていればそういったことが出来ちゃうんでしょうけれども…。
そんなに話し合えている家族がいたのはこの仕事が長くてもほとんど見たことがないですね…。
『延命治療』と『緩和治療』を区別して話し合うといいのかも?
緩和ケアって?
もうどうなるかわからないよっていう時に行う医療行為はこのヤフーニュース記事のように延命治療と言って、何とか命を延ばすために行う医療行為を指します。
酸素濃度が足りなくなってくれば酸素をつける。
栄養は血管に直接流し込む…。
呼吸が止まれば人工呼吸器をつけたり…。
ありとあらゆることをして文字通り命の時間を延ばす行為になります。
それに対して、緩和ケアは、本人が苦しまないように最期を迎えるための治療になります。
緩和ケアって実際どんなことをするの?
それは千差万別なんですが、例えば心臓が悪くてもう呼吸も苦しそう…。
延命治療であれば人工呼吸器をつけて、呼吸器をつけたことによる感染リスクを抑えるために抗菌剤と、水分を点滴で打つ…。
水分が入ったことによって体は頑張れないけど、血液量が増えたことによってもっと頑張らなくちゃいけなくなる…。
コレが緩和ケアだと、基本的に呼吸器はつけない…。
呼吸器をつけずに点滴で水分を体内に入れれば、弱った心臓を更に頑張らせなくちゃいけなくなるので余計に苦しくなる…。
だから緩和ケアのみってなった場合は通常酸素のみで呼吸が苦しいのを取るけど、それ以上はしない。
医療行為による苦しみを味合わせることなく、病気による痛みや苦しみを緩和して最期を迎えるために治療することを言います。
病状によってどんな医療行為が苦痛になるのか?
等も大きく変わってしまうので何とも言えない所ではあります。
ちなみに【公式】は常々顔には傷を作って最期を迎えたくないのでできるだけ酸素マスクはしたくない…。
苦しいのは嫌だけど綺麗な姿で棺に入りたい…。
そう思っていますし口に出しています。
それでも今亡くなった時はそうしてくださいって事にはしていますがこれから先はどうなるかわかりませんからね…。
縁起でもない話は定期的にしとくべきなんですけどね…
(詳しくはコチラ⇩⇩)
【公式】ケアマネ介護福祉士的に、ライターさんってホントに難しいなって思った瞬間…。
専門性のあるライターだからこそ描ける記事が描けなくなりそう…
【公式】ケアマネ介護福祉士だって本音を言えば何も考えないか?
機械的にコレが出来るかって言われれば絶対できないし、自分の想いを発信しないでただ事実をまとめた記事をって言われたら専門性ってほとんどなくなるよなあって思っちゃいますね…。
ライターは確かに飽和状態ですけど、こんな叩かれ方して仕事減ったりとかメンタル的に嫌になったりしないのかなって思っちゃいますね。
まあ【公式】ケアマネ介護福祉士みたいにメンタルがお豆腐の人間には当たり障りない事しか書けないんだろうからちょっとうらやましいなあと思ってしまうのでした。
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