広がる自宅で看取り。在宅医療の輪 しろひげ在宅診療所編
- 広がる自宅で看取り。在宅医療の輪 しろひげ在宅診療所編
- 新型コロナウイルスの影響で在宅での看取りは増えた?
- 自宅での看取りが増えた理由
- 1人暮らしでも自宅での看取りは怖くない
- ケアマネ介護福祉士的に施設ケアマネの時より最期の別れが段違いに辛い
「うちに帰れて良かったね」。「しろひげ在宅診療所」の山中光茂院長(45)が声をかけると、末期がんで自宅療養する浜田純一さん(89)が安らかな表情を見せ、妻澄子さん(84)も「幸せよね」とほほ笑んだ。新型コロナウイルスの流行により多くの病院で面会制限が続く中、在宅診療を選ぶ患者が増えている。
同診療所は2018年に東京都江戸川区で開業し、現在は常勤医師7人で24時間365日体制の訪問診療を行う。
医師1人当たり1日に十数人の患者の自宅を回るが、国内で新型コロナ感染が広がり始めた1年前と比べ、診る患者数は全体で倍の800人近くまで増加。
日中の時間帯に回りきれず非常勤医師に頼らざるを得ない日も出てきたため、4月から医師を2人増やす予定だ。
山中院長は「コロナの病床が増えたことで病院で受け入れきれない患者や、面会できないことを心配した患者に、在宅での治療という選択肢が広まりつつある」と指摘する。
純一さんは昨年11月、末期の肺がんが判明した。
放射線治療で入院した後は新型コロナの影響で家族も一切面会できず、「年末年始ぐらいは家に帰りたい」という純一さんの希望で12月下旬に退院。
「延命治療も難しく、再入院したら会えないまま逝ってしまうかもしれない」と家族で話し合い、在宅診療を決めた。
純一さんは今年2月上旬に容体が急変。
深夜に山中院長が駆けつけ、家族に見守られるなか亡くなった。
山中院長は「病院がコロナ対応に追われる中、代替機能としての役割を果たしながら最期まで患者に寄り添っていきたい」と話した。
引用ヤフーニュース
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東京を拠点としている在宅診療で目立っている事業所さんになりますね。
医院長さんは45歳の若さで、市長の経験があるとびっきり不思議な経歴の方になります。
著書も出版しており本当にとんでもなく多岐にわたる人。
そんな人たちがヤフーニュースに上がっていたので、これを機に在宅で看取りをちらっとだけ考えていきましょう。
新型コロナウイルスの影響で在宅での看取りは増えた?
殆どケアマネ介護福祉士の体感なのでエビデンスゼロですが増えたなあという印象です。
コロナウイルスの影響を受けて増えた要因は大きく二つに分かれるでしょう…。
ただし、再度繰り返しますがエビデンスは一切なし。
ケアマネ介護福祉士の体感です。
自宅での看取りが増えた理由
①病院の面会禁止
まずもってコレが一番大きい問題だと思います。
白髭先生も記事の中で話している事なので、おおむねあっているのかもしれませんね…。
病院に入院しました。
例えばもう末期症状で、緩和的な医療行為しかできない。
通常であれば家族さんはできる限り病院へ通って、時には泊まって…。
そんなのを想像しますよね…。
ぶっちゃけた話病院での過ごし方的にこの理想もだいぶ古い話で今実際にこの幻想通りの事をしたいならバカ高い個室料を払わないと現実的ではないんですが…。
そんな淡い理想の病院ライフをぶった切る今のご時世…。
立ちはだかる『面会禁止』の壁…。
そうなんです…。
入院したら家族には会えないんです…。
次会う時には命の灯が消えているかもしれません…。
病院に入院していてもクラスター発生なんかしたら下手をすると位牌になるまで会えないことも今の世の中…。
そこで家族は決断します。
じゃあ家で最期を迎えられるようにします。
そんな時には40歳以上なら介護保険の出番です。
在宅での看取り理由は癌や難病が多く、腕のいいケアマネさんが付けば安心して過ごせます。
ココでのポイントは看取りに強いケアマネさんが稀にいるというところ…。
本当に稀ではありますが、基礎資格が看護師のケアマネさんや、私のようななんちゃって医療従事者の病院勤務ケアマネさんなんかは医療的なケアに関する知識が非常に高い傾向にあります。
もちろん傾向的な話なだけで、ケアマネージャーになる為に勉強をしているのでどのケアマネージャーも高齢者及び、介護保険が適用になる病気については詳しいです。
定年間際の看護師さんより現役のケアマネージャーの方が知識が豊富なんて事もザラにあるので、勉強しているケアマネさんであれば安心してください。
②入院できない
これもしろひげ先生同様ケアマネ介護福祉士もそう思います。
入院しようにも、新型コロナウイルスを受け入れている病院は大病院であれば1フロア丸々コロナ病棟…。
受け入れることの珍しい小規模の病院だともう丸々全部…。
コロナウイルス対応専用ベットを確保してしまいますので、もともと新型コロナウイルスが流行りだす前から比べて入院できるベッド数が少なくなってきているのが原因でしょう…。
特に緩和ケア目的となれば基本的に昏睡になる手前に痛みの緩和目的で多少の医療行為をする程度…。
長期間の入院になれば入院保険点数もとれないため病院的にはそういう緩和目的の保険点数が取れない人よりも、手術が必要でなおかつ即退院できそうな人の方がベッドを回転させながら最高利益を確保していきたいところでしょう…。
③在宅診療、訪問診療の拡充
これはしろひげ先生みたいな人や、本当に地域を愛しているような昔ながらの地元開業医さんが訪問診療を行ってくれているおかげですね。
訪問看護ステーションも増えましたし…。
自宅で最期を迎えられる環境が整ってきているのも大きいですね。
これから先、もっと増えていくといいですよね…。
ケアマネ介護福祉士の住む地域でも大分拡充はされていますが、今一つ自信をもって在宅でも心配ないですと言い切れる地域と、言い切れない地域に分かれています。
更には来てくれるだけでありがたい…。
先生や訪問診療をしてくれる診療所を選ぶ立場に立てない…。
そのくらい希少な訪問診療所…。
選択できるくらい増えてくれるともっとありがたいなと思ってしまいます。
1人暮らしでも自宅での看取りは怖くない
チームケアのすばらしさ
最近はしろひげ先生の著書が影響しているのか、世間全体の流れがそうさせているのかはわかりませんが、一人暮らしでも自宅での看取りを選ぶ方々が増えてきましたね…。
賃貸とかだと大家さんにえらいドヤされて病院で最期を迎えなくてはならないという利用者さんも一定数目にしますが、一人暮らしでも自宅での最期を希望されて戻るケースが増えてきましたね。
確かに在宅に戻って、医療保険と介護保険を組み合わせれば生活自体は可能でしょう…。
ただ、いつ死ぬかわからない恐怖や、だれもいない所で旅立つ孤独感は拭えないと思っていました。
でも実際ケアマネ介護福祉士は一人暮らしの方々を自宅で看取る事も多く、そんな人たちは凄く感謝して旅立っていきます。
ヘルパーさん
訪問入浴さん
訪問看護師さん
ケアマネージャー
訪問診療さん
訪問薬剤師さん
地域によっては自治会長さんや近隣の住民さんまで来て下さって、チーム一丸となって旅立ちの門出に向かって支援をします。
本当に素晴らしい事ですよね…。
旅立ちはいつも独りぼっち
このセリフはある独居の肺がんターミナル超絶転移しまくりの人が常に発していました。
まるで呪文かのように…。
みんなに支えられて最後に向かって過ごせているけれど、最後旅立つときは一人。
寂しいからって誰か連れていくわけにもいかない…。
だからギリギリまでは寂しい思いをしたくない。
最後眺める景色が病院の天井よりも、シミだらけの思い出が詰まった家の天井がいいなと思ったんだ。
と言って、笑っている人でした。
今でも頭から離れない言葉ですし、時々在宅での看取りをちゅうちょする家族に投げかける言葉です。
今でも使わせてもらっている言葉ですが、在宅での看取りを簡単に安心して出来ることだなどと言えないケアマネ介護福祉士の上等文句と化しています。
あの人は今、ケアマネ介護福祉士がこの言葉を使いまわしている事をきっと笑いながら見てくださっているのでしょうか…。
ケアマネ介護福祉士的に施設ケアマネの時より最期の別れが段違いに辛い
ケアマネ介護福祉士としても、自宅での看取りはエネルギーを使いますし、記憶にも残る…。
もちろん記憶にもはっきりと残ります。
でも、ケアマネ介護福祉士の仕事上必ずと言っていいほど別れはつらい形で訪れます。
施設ケアマネをやっていたときよりも別れがつらい…。
施設ケアマネの時はそういうもんだと全然割り切れたし、接している時間が絶対施設ケアマネの方が多くの時間関わっているハズ…。
それでもつらいのは、その人の生活や人となりが家族を通じてより一層伝わってくるからなのでしょうか…。
居宅のケアマネになって初めて知ったこの感情…。
同じたった一つの命なので、比べてはいけないのでしょうがなぜかこんなにも違うものなんですよ…。
家族の苦悩や、本人の気持ちがダイレクトに見えてしまう居宅ケアマネージャー業務…。
病院でも施設でも感じることが出来ないこの感情がもしかしたら居宅ケアマネとしての大事な経験、財産になっていくのかもしれません…。
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